この記事のポイント
- 2008年2月1日にレイカーズ加入
- 主な交換要員はクワミ・ブラウン、ジャバリス・クリッテントン、アーロン・マッキー、マルク・ガソルの交渉権、1巡目指名権2本
- 加入初年度にNBAファイナル進出
- 2009年、2010年のレイカーズ連覇に貢献
数字で見るパウ・ガソル
2009・2010年のレイカーズ
2010年ファイナル第7戦(19得点)
2023年にレイカーズの永久欠番に
一瞬で西の勢力図が変わった
2008年2月、レイカーズはグリズリーズからパウ・ガソルを獲得した。パッケージはクワミ・ブラウン、ジャバリス・クリッテントン、アーロン・マッキー、マルク・ガソルの交渉権、将来の1巡目指名権など。発表当時から、レイカーズがあまりに安くコービーの新たな相棒を手に入れたように見えた。
当時のコービーは、個人としては圧倒的でもチームの優勝ルートが見えにくい状況だった。そこにパウが入ったことで、ポスト、ハイロー、ミドルレンジ、パス、リバウンドが一気に安定した。
パウは“第二エース”以上の意味を持った
パウは単に得点できるビッグマンではなかった。トライアングルの中で判断でき、コービーにスペースと休息を与え、バイナムやオドムとのフロントコートにも柔軟に対応した。
2008年はセルティックスに敗れたが、レイカーズはすぐに完成度を上げた。2009年、2010年の連覇は、コービーの執念だけでなく、パウの安定感があったからこそ成立した。
安すぎるパッケージと、弟マルクの存在
このトレードで批判されたのは、基本的にレイカーズではない。むしろ『なぜグリズリーズはこの程度のパッケージでパウを出したのか』という見方が強かった。コービーの隣に置くには理想的なビッグマンを、レイカーズがかなり安く獲得したように映ったからだ。
ただし興味深いのは、パッケージに弟のマルク・ガソルの交渉権が含まれていたことだ。当時のマルクはまだNBAで実績がなかったが、後にグリズリーズの中心選手となり、DPOY級のビッグマンへ成長した。
それでも短期的に見れば、パウ加入はレイカーズを即優勝候補に戻した決定的な一手だった。コービー後半のレガシーを語るうえで、このトレードは絶対に外せない。
グリズリーズ側の“答え合わせ”
当時は一方的なトレードと見られたが、年月がたつと評価は変わった。交渉権として渡ったマルク・ガソルは、2008-09シーズンにグリズリーズでNBAデビューすると、リーグ屈指のセンターへ成長する。オールスターに選ばれ、2013年には最優秀守備選手(DPOY)を受賞した。
マルクとザック・ランドルフのフロントコートは、“グリット・アンド・グラインド”と呼ばれるグリズリーズの黄金期の中心になった。レイカーズは優勝を手に入れ、グリズリーズは長く戦える土台を手に入れた。短期と長期、それぞれの勝者がいたトレードだったとも言える。
このトレードの勝者は?
2010年ファイナル第7戦と、永久欠番
パウの価値を象徴するのが、2010年ファイナル第7戦だ。セルティックスとの宿命の対決で、コービーのシュートが決まらない中、パウは19得点18リバウンドとインサイドで体を張り、連覇を決定づけた。2008年に敗れた相手へのリベンジでもあった。
引退後、パウは2023年に殿堂入りを果たし、同じ年にレイカーズは彼の背番号16を永久欠番にした。トレードで途中加入した選手が、球団の歴史に名を刻む存在になる。それほどまでに、この補強はレイカーズにとって大きな意味を持っていた。
