この記事のポイント
- メタ・ワールド・ピースの本名はロン・アーテスト
- ワールド・B・フリーは本名ロイド・フリーから改名
- ネネは本名マイビナー・ロドニー・イラリオの登録名
- 改名には信念や個性が反映されている
数字で見る改名
アーテストが“メタ・ワールド・ピース”に改名
ルー・アルシンダーがカリームに改名
メタ・ワールド・ピースの改名(2011・2020年)
メタ・ワールド・ピース(本名:ロン・アーテスト)
もっとも有名な例が、メタ・ワールド・ピースだ。彼は元々ロナルド・アーテストという名前で、激しいプレースタイルとコート上のトラブルで知られていた。
その彼が2011年、法的に名前を“メタ・ワールド・ピース(世界平和)”へ変更した。荒々しいイメージとは正反対の名前で、本人は平和への願いを込めたと語っている。ユニフォームの背中に“World Peace”と入る光景は、NBA史でも屈指のインパクトだった。
ワールド・B・フリー(本名:ロイド・フリー)
改名選手の先駆けが、1970〜80年代に活躍したワールド・B・フリーだ。彼の本名はロイド・バーナード・フリー。派手な得点力とダンクで“オール・ワールド”と呼ばれていたことから、ミドルネームを“World”にして正式に改名した。
名前そのものが自己プロデュースになっている、かなり早い時代の例だ。コート上のキャラクターを、名前にまで持ち込んだ選手だった。
ネネ(本名:マイビナー・ロドニー・イラリオ)
ブラジル出身のセンター、ネネも本名でプレーしていたわけではない。本名はマイビナー・ロドニー・イラリオで、“ネネ”は幼い頃からの愛称だ。
彼はこの愛称を登録名として使い続けた。試合のスタッツや背番号表記もすべて“ネネ”。ファミリーネームではなく、親しみのある呼び名のままトップリーグで長くプレーした、珍しいタイプの選手だ。
信念で名前を変えた選手たち
名前を変えた理由が、宗教や政治的な信念だった選手もいる。代表的なのが、NBA歴代屈指のセンターであるカリーム・アブドゥル=ジャバーだ。彼はもともとルー・アルシンダーという名前でプレーしていたが、イスラム教に改宗し、1971年に現在の名前へ改めた。
1990年代に活躍したシューター、マフムード・アブドゥル=ラウーフも、元の名前はクリス・ジャクソンだった。同じくイスラム教への改宗をきっかけに改名している。
近年では、トルコ出身のエネス・カンターが2021年にアメリカ国籍を取得した際、名前に「フリーダム(自由)」を加え、エネス・カンター・フリーダムとなった。人権問題について積極的に発言していた彼にとって、名前そのものが主張だった。
登録名と元の名前
メタ・ワールド・ピースのその後
ちなみに、メタ・ワールド・ピースは引退後の2020年にも改名している。新しい名前はメタ・サンディフォード=アーテスト。妻の姓を加え、元の姓であるアーテストも戻した形だ。
名前は、選手が自分をどう見せたいか、何を大切にしているかを表すメッセージにもなる。スタッツ表に並ぶ名前の裏側には、それぞれの人生の物語がある。
